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不動産会社がお世話になるもの:登記事項証明書(通称:登記簿、謄本)編

こんにちは!

僕たちが仕事を行う上でほぼ毎日のように見ることになるものとして、

「登記事項証明書」があります。通称では「登記簿」や「謄本」といった呼称で用いられることが多いかと思います。

※ちなみにセットで見るものとして「公図」があるのですが、僕たちの地域では「あざず」と呼ばれることが多いです。恐らく漢字に直すと「字図」なのだろうと思うのですが、これは全国共通の呼び方なのか?少し気になっています。

この謄本(自分が普段から用いる呼び方としては謄本ですので、今回のコラムではそれに準じさせていただきます笑)ですが、改めてこの書類に記載されているものとして主だった事項は下記となります。

表題部・・・所在、地番、地目、地積

権利部(甲区)(所有権に関する事項)・・・登記の目的、権利者その他の事項

権利部(乙区)(所有権以外の権利に関する事項)・・・登記の目的、権利者その他の事項

となります。細かく書いていけば長くなるのでざっくりと申し上げると、

表題部・・・その土地の住所とどんな土地なのかと広さ

甲区・・・いつから誰が持っているか、いたか、とその所有に至る原因(売買や相続 等)の履歴

乙区・・・この土地に紐づいていた借金の額や債務者、債権者の履歴

という感じでしょうか?

 

パッと見では必要最低限の内容しか記載されていないように見れるのですが、これは不動産業界の人あるあるだと思いますが、ある程度キャリアを詰んでくると、その不動産にまつわるストーリーが少し見えてくるような時期を迎えてきます。

「このタイミングでこの時の所有者様になにかあったんだろうな?もしかしたらこういうことかな?」

「ここで相続が発生してご兄弟で所有されているけど、○○さんはこの土地に担保を入れてるから何かあったのだろうな。今も苦しいのかも…」

などなど、色々な状況に思いを馳せることが多くあります。

そしてその時に想像したストーリーを所有者様にお伝えしてみると、「そうなんです!」というケースも多々あり、そういった時には不動産に携わる人間としての実感が湧きます。

中には明治のころから書き換えられていない謄本があったり、所有権の原因が「家督相続」という表示があるなど、時代に思いを馳せることもあります。明治時代から変わらずにいる土地、場所なんだなあ。とか考えるのはちょっとした楽しみでもあります。

とはいえ、上記のような昔から内容が整えられていない謄本だとその土地を売却するにしろ、貸し出すにしろ、何かしようとすれば遡って整えていかなければならないため(その後に相続が発生していればその時々の相続人を探したり、ご存命でなければその末裔の方を探したり etc)、実務的には相当な苦労をすることの方が多いのですが・・・(汗)

今回は謄本について色々書いてみました。皆さまも時間がある時に謄本を眺めてみると色々な思い出だったり、発見があるかもしれません!

ではまた!

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